東米里しいたけ村
No. 23
イヤァー『東米里しいたけ村』は土地カンのない私にとってはわかりづらい場所にありました。でも本当に「行くことができてよかった」と思えるところでした。さっそく作業風景を見学。しいたけ村は土地が480坪、そこにシイタケ栽培作業のビニール棟が6棟、回りは雪がドッサリ積もっていて除雪も仕事のうちと皆で楽しくやっていました。ママさんダンプがひと冬で何台も壊れるようです。迎えてくれた施設長の武藤さんはおおらかでパワフル。とても楽しく話を伺うことができました。
Q1. しいたけ村の事業所区分と働いている人の人数を教えてください
B型で職員は7名、障害者は50名が登録になっています。
作業所は現在8年目をむかえ、出勤日数に応じて工賃を1日1000円程渡せるようになりました
Q2. どうしてここ(東米里)で始められたのですか
特別養護学校の多くが札幌から離れており、卒業生の受け皿がありません。そこで何とか身近な札幌市内でやることに意味があると思ったからです。
ここだったら地下鉄菊水駅からバス1本でこれます。そのバスのなかで高校生からからかわれたりイジメをうけることがありますが、高校生がそうなるのも障害者と触れる機会が少ないことがその要因としてあり、障害を知らしめ、ある面では健常者を教育するのも私たちの役割とも感じています。
ここは市街化調整区域でお店を出せないことでは困りますが、近くの農園を借りて有機栽培の野菜づくりもできましたし、水道は通っていなくても作業に使う豊富な地下水もあります。
Q3. なぜシイタケだったのでしょうか
スーパーの店頭などで並べられているシイタケのほとんどは菌床(キンショウ)栽培というもので、私たちのシイタケは原木(ゲンボク)栽培。菌床に比べてとても手間がかかりますが、食感といい味の濃さといい食べてみればその違いはハッキリわかると思いますよ。
原木栽培のシイタケは成長するのに時間がかかります。人の成長も同じでその時々の成長の姿を見ていくこと、自然の営みのなかで物を作るということは障害者の仕事としてとても良いと思いました。それに人手がたくさん必要というのは障害者の仕事としてはうってつけじゃないでしょうか(さきほど作業しているところを見せてもらいましたが、笑顔いっぱいで皆楽しくやっているなぁと感じました)
Q4. 「しいたけ村」のモットーというか大切にしていることは
あたりまえのことなんですが、分担しながら集団で仕事することですかねぇ。
ここでは職員が障害者を指導するという感じはありません。一緒に仕事をすれば仕事のやり方を覚えていくものだと思います。ですから職員は必要に応じて手はだしますが余計な手助けはしない、見守るということを仕事仲間として基本に据えています。
メンバーの障害をまるごと受け入れ、皆と友達みたくなれればいいですね。
Q5. 今後やってみたいと思っていることは
親の方々も年をとってきていますので、親も含めた「生活の場」づくりとしてケアハウス・グループホームを考えています。
でもここには父母会はありません。もちろん個別の相談には応じていますし、なにか問題があれば親の方とも連絡をとりますが、「しいたけ村」をあくまでも職場として存立させようと思っているからです。
また、近くの200坪の農地を借りて大根・イモ・ニンジン・玉ネギなどの有機農業も行っています。新たになめたけ栽培も始め、近くのニンニク農家の手助けにも行っています。あくまでも「作る」ということにこだわってどんどん生産量を上げ、販売していきたいですね。
持ち帰った生シイタケはその夜ステーキに、スライスした干しシイタケは翌朝卵との吸い物に。とても食感がよく滋味あふれる味でおいしくいただきました。
- 法人名
- 特定非営利活動法人陽だまり
- 施設名
- 東米里しいたけ村
- 施設形態
- 就労継続支援B型
- 住所
- 札幌市白石区東米里2177
- 電話番号
- 011-871-6410